オーストラリア生活

オーストラリアで土地を買う時の流れ(後編)

こんにちは、すしことアツシです。

前回土地を買う時の流れの(前編)としてオファーを出す前のところまで書きました。

今回はその続きから、契約完了までを書いてみようと思います。



オファーを出せるかチェック

今回購入した土地は、realestate.comという不動産サイトで見つけました。見つけてすぐにバイヤーズエージェントに連絡し、土地が僕たちの要望に適しているかを確認してもらいました。

バイヤーズエージェントが周辺エリアの条件を確認している間に、ビルダーに土地の形、傾斜などを見てもらい希望する家が建てられるかの確認、モゲージブローカーにローンが組めそうか銀行に打診をしてもらいました。

どうやら条件に合いそうということでオファーを出すことに決めました。

※実際には契約を結んだあとに、大急ぎで

  • 最終的な建物のデザインを確定し、ビルディングコントラクトを結ぶ
  • それを受けてFinance date期限内に銀行からファイナルアプルーバルをとる
  • それを受けてソリシター(弁護士)やコンベヤンサー(登記変更の専門家)がSettlementを行う

という流れになります。

超大事!subjest to finance

契約をするときに必ず組み込むべきものに、“subjest to finance”があります。

これは契約した後になんらかの理由でローンが組めなかった場合には契約を破棄できるというもので、買い手のリスクをさげてくれます。
この条件をオファーに盛り込んでおけば、後述するfanance dateまではいつでも契約を破棄することができます。

逆に言えば、その条件を入れておかないと、デポジットは返ってきませんのでご注意ください。売り手側は親切に教えてくれる人ばかりではないので、知らずにオファーを入れてのちのちトラブルになるケースが多いそうです。恐ろしい。。。

また、オークションで家や土地を購入する場合はsubjest to financeの対象外となるのでご注意ください!!オークションで落札した後に、銀行からローンが下りなかった場合、デポジットは返ってきません。。。

※詳しくは資格のあるソリシターなどにご相談ください。

ファーストオファーを出す

今回はエージェント経由だったので、州の定型の委任状を記入し交渉にあたってもらいました。最初は電話で売ることになった経緯を確認。

ここですでに交渉が始まっていて、いろいろなテクニックがあるようなのですが、僕はそこまで詳しくないので割愛します。

売り手はどうやらそのあたりの地主で、焦って売ったりはしておらず、適正な価格なら問題なく売るとのことでした。

事前にエージェントと市場の状況と、空いた土地が見つからない現状を話し合ったうえ、予算内ならできる限り買うということに決めました。

そして予想する市場価格までなら買うという額を決めて、その93%ほどの金額、本気で買う気がありますよという意味も込めて、

  • $5000のinitial deposit(契約が決まった段階での最初の預け金)
  • $5000のbalance deposit(最終的にunconditionalつまり、Settlementをした際の預け金)
  • 21日のfinance date(21日以内にローンの手配をしますという意味)
  • 30日のSettlement date(30日以内に双方の弁護士による登記の変更手続きをしますという意味)

の条件ででオファーを出しました。この辺の条件はその時の市場や、どのくらいその物件を買いたいかなどによって大きくかわります。

僕たちが土地の購入のために記入して提出したのは、QLD州のContract for Houses and Residential Landという書類です。

それと、バイヤーズエージェントからの意向で、条件の追加をおこなうためSpecial condition ANNEXURE Aという書類もオファーに含めて提出しましたが、のちのち不要になり最終的な合意の中には含まれませんでした。

ちなみに物件がRealestate.comに出てきた日に発見し、翌日にオファーをいれました。スピードが大事なので、前編で行った準備がここで活きました。

セカンドオファーをだす

ファーストオファーを出した次の日に返事があり、金額面では合わないが、その他の条件は悪くないという返事でした。

当時そこまで加熱しているマーケットではなかったのですが、5か月以上狙った土地が出てくるのを待っていた僕たちは、この土地は絶対に手に入れたいと思い、金額を僕たちの上限の価格(予想している市場価格)の98%ほどでセカンドオファーを入れました。

今となってみれば、当時のマーケットを踏まえ、もうひと粘りしてもよかったかなと思います。これがいわゆるFOMO(Fear Of Missing Out)か!と思いました。

頭でわかっていてもいざ当事者になると、誰かに買われてしまうのではないかという恐怖で、必要以上に焦ってお金を使ってしまう典型だったかなと思います。それでもマーケットプライス内で買えたので良しとしましょう!

契約を結ぶ

条件面で合意できたら、Contract for Houses and Residential Landに合意にあたり変更となる部分を修正し、売り手側にもサインをもらいます。

ここまでこれたらInitial depositを支払います。

遠隔地に住んでいることもあるせいか、最初から最後までメールでのやり取りだけでした。

送られてきた書類はプリントアウトしてサインしてスキャンという流れで、一度もオリジナルの書類を郵送することはありませんでした。

契約できた時は一瞬だけ感慨深いものがありましたが、すぐに後述の作業に追われてしまって、正直味わう暇みたいなものはあまりありませんでした 笑

ビルダー(最終デザイン、見積もり)

土地の契約が結べたら、大急ぎで建物の契約に移ります。僕たちは事前にビルダーに要望を伝え、素材、建築方法を記した書類であるSpecificationsにサインをしておきました。

それをベースにビルダーが実際の土地の形や傾斜、カウンシルの決まりなどを踏まえた最終デザインとビルディングコントラクトQueensland New Homes Construction Contract QC1(通称HIA Contract)を用意してくれます。

この契約をする際、ビルダーへのデポジットとして$2200支払いました。これは、最終的な支払額に含まれるもので、ローンがおりずに契約を破棄する場合には返却されるということでした。

僕たちは初めての契約ということで不安だったこともあり、デザイン、費用、納期などが確認できたところで、ソリシターにお金を払い契約書を確認してもらいました。($825)

大きな修正点はなく、あったのは日にちを指定する注釈をいれたり、どの段階のデザインを指すのかの指摘だったりといったものでした。

建物が無事に完成した今となっては必要だったのかはわかりませんが、トラブルはどんな形で降ってくるかわかりませんので、僕たちは弁護士に見てもらってよかったなと思っています。

そして、契約が結べた段階でビルダーはカウンシルに許可を取ります。

モゲージブローカー(最終アプルーバル)

土地の契約が結べた段階で、モゲージブローカーにファイナルアプルーバルを取ってもらいます。

事前にプレアプルーバルをもらっていましたが、実際に物件が決まってからでないとファイナルアプルーバルはもらえません。

モゲージブローカーや銀行は期限内に許可を取らないといけないので大急ぎです。ここでお金が借りられなくなると、そもそも物件が手に入らなくなります。

今回は、ファイナルアプルーバルに土地の契約書だけでなく、サインをしたビルディングコントラクトが必要だったので(うる覚えですが、カウンシルの許可も必要だったのではないかと)、モゲージブローカーから早く書類を揃えてくれとつつかれていたのを覚えています。

ここでひとつ大変残念なことが起きてしまいました。。。

事前に可能性については知らされていたものの、建物が銀行から低く評価される(under value)という事件が起きました 泣

どういうことかというと、銀行は評価した金額分しか融資してくれません。低く評価された差額を自分で現金で負担しないといけません。

僕たちが建てたDuplexと呼ばれるタイプの物件は評価対象がまだまだ少ないため、高く評価されたり低く評価されたりしているようで、残念ながら僕たちは後者のほうでした泣

ブローカーと話し合った結果、自分たちで負担するということで進めるということにしました。

ギリギリで予算を組まないで良かったと思うと同時に、もし追加の現金もなく、Subject to Financeを入れておかなかった場合は、ただただデポジットを失うことになっていたかと思うと恐ろしいです。

それと、途中で順調にいってはいたものの、モゲージブローカーから念のためfinance dateを1週間期限を延ばそうという提案がありました。
ソリシター経由で売り手に確認したところ、了承してもらえたので延ばすことにしました。

僕たちは、しっかりと手順を踏んで延ばしたので問題ありませんでした。ですが、なんの連絡もなく支払いが遅れたりした場合などには契約を破棄される可能性もあるのでご注意ください。

ソリシター(登記変更)

ファイナルアプルーバルがとれたら、ついに最終段階の登記の変更(Settlement)に移ります。

ソリシターもしくはコンベンヤンサーに土地の所有者の変更のための準備に入ってもらいます。彼らがチェックするのは所有者や境界線、ローンの有無などです。

そして、売り手と買い手の代表者が決めた時間にSettlementを行います。

そして、いつどこでSettlementが行われたか、また詳細な金額情報が入ったSettlement Statementが送られてきます。ここまできてようやく購入が完了したこととなります☺️

まとめ

最初のオファーを出したときから、家が完成するまで、正直に言うとストレスを感じることがよくありました。

人生で見たこともないような大きな単位のお金の決断を数時間のうちにしなければならなかったり、
日本語で読んでもよく理解できないような契約書を、とにかく読んでなんとなくわかったようなわからないような状態でサインしたり、騙されているんじゃないかと疑心暗鬼になりながら進めて行ったり。。。

今思い返すと、実際の流れをよくわかっていなかったことが不安を大きくしていたのかなと思います。
しかし、その中でも、進んで情報を集めたり、信頼できる専門家たちのサポートを受けたことで、わからないながらも大きなミスを避けられたのかなと思います。

初めての購入を考えている方は、周りの購入経験者に話を聞いたり、経験のある人がおすすめする、もしくはレビューが良い専門家にアドバイスを仰ぐとなお良いと思います(*^_^*)

家や土地を買う場合や、州ごとに書類やルールは違うでしょうが、すこしでもこの経験がどなたかの役に立てれば嬉しいです。

最後に!!

これは僕の経験を書いたものであり、100%正しいとは限りません。資格を持つ専門家に相談の上購入されることを強くお勧めいたします(^^)!

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ABOUT ME
すしかな夫婦
すし(夫)とかな(妻)の日本人夫婦。2013年、ワーキングホリデーで渡豪。学生を経て、2019年に夫婦で永住権を取得。愛犬ココとクイーンズランド州の田舎で生活中。
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