オーストラリア生活

不動産投資で知っておきたい用語8選【初心者向け】

こんにちは、かなです。

私たち夫婦は今年1月に、初めての投資物件をオーストラリアのブリスベンで購入しました。夫であるアツシが主体となって手続きを進めていたのですが、全く知らないのも良くないと思い、最近私も基礎知識を勉強し始めました。

しかしわからない専門用語がたくさん出てきてなかなか理解できませんでした。

そこで不動産投資の初心者である私が気になった知っておきたい用語を備忘録としてまとめたいと思います。

① Cash flow キャッシュフロー

キャッシュフローとは「お金の流れ」を表します。
お金が入ってくること(収入)を「キャッシュイン」、お金が出ていくこと(支出)を「キャッシュアウト」といい、キャッシュフローはキャッシュインからキャッシュアウトを差し引いた収支のことです。

もしキャッシュインがキャッシュアウトより多ければ、お金が増えますし、その逆でキャッシュインがキャッシュアウトより少なければお金が減っていきます。

不動産投資ではこのキャッシュフローを把握しておくことがとても重要とされています。
今回の私たちの投資物件は、家の価格を上がるのを期待しつつも、このキャッシュフローが良い=自分たちのローンの支払い(Repayment)より多い金額のレント収入が入るのを目的としています。

また個人の家計でも収支の計算やお金の流れを把握することによって、効率よく貯蓄ができます。
私たちは家計簿をつけていくら投資にお金を回せるか具体的な金額を計算することができました。

② Positive/Negative gearing ポジティブ・ネガティブギアリング

ポジティブ・ネガティブギアリングとは投資物件に住むテナントからのレント収入から、諸経費を引いてローンの返済した上で、黒字だった時をポジティブギアリング、赤字だった時をネガティブギアリングと言います。
これもオーストラリアでは戦略の一つとして考えられています。

初心者の私からすると、単純に黒字の方が良いじゃん!って思うのですが、オーストラリアでは投資物件での損失をTAXリターンの時に、経費として計上できるらしく、節税対策のために敢えてネガティブギアリングでやっていくという戦略方法もあります。

私たち夫婦の戦略としては、将来の収入が変わる可能性(転職、引越し、子どもなど)があるので、リスクをとりたくなかったので、Duplexを建てて、2つのレント収入(Dual Income)でポジティブギアリングになるようにしました。

③ Capital gain キャピタルゲイン

キャピタルゲインとは不動産でいうと物件の価値が購入時よりも上がり、売却する際に得られる売買差益のことです。

例えば4000万円の物件を購入し、数年後に4500万円まで価値が上がったとします。そこで売却することによって500万円の差益が生まれます。これをキャピタルゲインと呼びます。

オーストラリアの不動産投資ではキャッシュフローとキャピタルゲインのどちらを狙うのか、そんな話がよくされてます。

一般的に言われているのは大都市部(シドニー、メルボルンなど)の中心に近づく程物件の価格は上がり利回りは下がります。その代わりキャピタルゲインが狙えます。逆に中心部から離れたり、地方都市にいくほど利回りは上がるもののキャピタルゲインは狙いにくくなります。

オーストラリアでは日本の不動産事情とは異なり、過去29年連続で好景気だったため土地の値段が急激な上昇傾向にありました。なので、オーストラリアではとりあえず物件を買えば値段が上がるから買った方がいいと言う人もいます。
(場所や物件の種類にもよるので実際はそんなことはありません。)

私たちは戦略としてある程度キャピタルゲインを狙いつつ、キャッシュフローが安定している物件を探していました。
今回、購入した物件が今後どうなるか乞うご期待です!

④ Equity エクイティ

エクイティとは所有している不動産の物件価格(購入額でなく、今の市場価格です)から、自分が借りているローン(Debt)の金額を差し引いた金額のことで、実際に自分が所有している分の資産を表します。

例1)4000万円の物件を所有していて、残りのローンが1000万円あった場合、4000万円ー1000万円=3000万円がエクイティとなります。

例2)10年前に4000万円で購入した物件の現在の市場価格が5000万円で、残りのローンが2000万円だった場合、5000万円ー2000万円=3000万円がエクイティとなります。

オーストラリアではこのエクイティを担保として銀行から新たな融資を得ることができます。
つまりエクイティのメリットとして、自分の現金が足りなくてもエクイティを使うことで、不動産物件などを購入することができます。

仮に運よく購入した物件の価格が上がった場合には、実際にはあまりローンの返済が進んでいなくても貯まったエクイティを利用して2軒目を購入をすることが可能となります。

また投資物件だけでなく、ホリデーや車、ビジネスの資金としても使うことができるようです。

ただし!!!エクイティはあくまで物件を担保とした借金なので、追加でのローンの支払いが必要なります。

⑤ Leverage レバレッジ

レバレッジとは、てこの力、てこの作用という意味を持っており、投資においては他者からの資金(例;銀行からのローン)を使うことにより、少ない自己資金で大きな金額を取り引きすることを指し、それにより利益率を高める手法です。

不動産投資で例えると、1000万円の自己資金があったとします。

4000万円の物件を購入する際に、頭金として4分の1の1000万円のみ自己資金として支払い、残り3000万円は銀行からの融資を受けることによって、自己資金の4倍である4000万円の資産価値のある物件を購入することができます。

もしレバレッジがなければ、自己資金である1000万円の物件しか買うことができないため、所有できる物件の価値は4分の1になります。
1000万円と4000万円の物件が利回りが同じ7%、融資に対する返済が3%だった場合、利益は以下の通りになります。

4000万円✖️7%(280万円)ー ローンの利子3000万円✖️3%(90万円)=190万円
1000万円✖️7%(ローンなし)=70万円

190万円 ー 70万円=120万円(税金などの計算は省いています)

支払った金額は同じ1000万円なのに、120万円の利益の差が出ます。これがレバレッジの効果です。

⑥ Yield イールド

日本語では「利回り」と呼ばれています。利回りとは投資金額に対する収益の割合を表します。
私たちが投資物件を探す際にもチェック項目の1つにRental Yieldが明記されていました。

Rental Yieldには2種類あり、Gross rental yield(表面利回り)とNet rental yield(実質利回り)があります。

Gross rental yieldとは?

表面利回りは(年間の賃貸収入÷物件の価値)✖️100を計算したものです。
例でオーストラリアの物件で表すと、$400,000の物件で週$300のレントだと以下の計算になります。

($300✖️52週÷$400,000)✖️100=3.9%となります。

Net rental yieldとは?

表面利回りに対して、各種経費や税金等を差し引いて計算するのが実質利回りです。
考慮する経費や税金の中には、保険、空室費用、修繕費、インスペクション費用、ローンの返済費用、印紙税などが含まれます。
計算式では{(年間の家賃収入ー経費等)÷物件の価値}✖️100となります。

先ほどの物件で年間の経費が仮に$4000とすると実質利回りは以下の計算になります。

{($300✖️52週)ー4000}÷$400,000✖️100=2.9%となります。

この数値が高いほど、キャッシュフローがより安定していると言えます。

私たちの場合、Gross rental yieldが6%くらいを目標に設定して、エリアを絞ったり物件を探したりしていました。

⑦ Offset account オフセットアカンウト

オフセットアカウントとは銀行の口座の1つで家のローンとリンクしている口座のことです。
家の購入時に必ず必要というわけではないので、オプションとなります。

このオフセットアカウントを作るメリットとしては、そのアカウントにお金を入れておくと、元本からオフセットアカウント内の金額分を引かれた額に対し利子が毎月請求されます。

例えばローンの元本が$300,000、オフセットアカウント内に$10,000あった場合、その月の利子は$290,000に対して発生します。

一見すると毎月の支払額に変化はないものの、オフセットアカウントがなかった場合に比べ、より多く元本を返済している状態となります。

そして、大きな特徴としては通常のセービングアカウントのように、引き出しが可能なことです。
(注;中にはredraw facilitiesのない(引き出すことのできない)オフセットアカウントもあるようです。

繰上げ返済ですと、返済した金額は通常それ以降引き出すことはできませんが、オフセットアカウントはいつでも引き出しが可能です。

例えばこの流動性を使ってこんなことが可能です。貯金をオフセットアカウントに入れて普段は支払う利子を減らしておき、貯まってきたら2軒目を購入する際に頭金として引き出して使うことができます。

もう一つ注目したいのが、オフセットアカウントに入れた金額が減らした分の利子は、実際得はしているものの収入ではないので非課税です。銀行の預金口座に預け受け取った利子は課税対象です。

オフセットで利子の支払いで$300得した場合は$300まるまる得ですが、預金口座の利子として$300受け取った場合には課税を受けます。(例えば25%課税された場合、税引後に手にするのは$225となってしまいます。

また、ローンの利率次第では、株などで運用するよりも確実に利子を抑えられるので検討する価値があるかと思います。過去には年利17%を超える時期もありました。オフセットに入れさえすれば確実に17%分の年利を抑えられるなら有効な手段かと思います。

⑧ Tax depreciation タックスディプリシエーション

日本語では減価償却と呼ばれています。

建物自体や冷房、オーブンなどの電気器具など年々古くなっていき価値が下がった分に関し、タックスリターンの際に損失として計上することができます。リノベーションなどの場合も申請が可能です。

やり方としては、Tax Depreciation Scheduleというレポートの作成を業者に依頼し、受け取ったリポートをもとに申請するだけです。私達も最近完成した投資物件のレポートをお願いしました。

費用はDuplexだったのでやや高めで$990でした。しかし、この先40年分のレポートがもらえ、来年のタックスリターンではなんと$15,000分のTax depreciationの申請が可能です。

私たちが利用した業者は、彼らのレポート料よりも顧客の受け取る利益が少なければ仕事は受けないと明言しているので、連絡する価値があると思います。

さいごに

用語を学ぶだけでも勉強になる反面、奥が深いので、根気よく学んでいきたいと思います。
経験者の方で、ご指導やフィードバックもいただけると嬉しいです。

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ABOUT ME
すしかな夫婦
すし(夫)とかな(妻)の日本人夫婦。2013年、ワーキングホリデーで渡豪。学生を経て、2019年に夫婦で永住権を取得。愛犬ココとクイーンズランド州の田舎で生活中。
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